2013年12月07日
日本陸軍 実物 昭和十三年制背嚢(代用背嚢)欠損あり
さてさて今回は久し振りに日本軍実物装備をご紹介したいと思います。
今回ご紹介しますのはこちら・・・!
こちらは実物 日本陸軍 昭和十三年制背嚢 になります。
試製背嚢とも呼ばれている背嚢で短期間しか使用されなかった珍しい背嚢です。
昭五式背嚢と九九式背嚢の間に当たる背嚢で全て非革素材で作られており綿素材で作られております。
この背嚢は独特の特徴があり、私は結構好きなのですが
後に九九式(蛸足)背嚢が採用されたところを見ると・・・やはりよく言われるように使い勝手が良くなかったのでしょう。
ちなみに複製品では中田商店さんが販売されていましたがやはり絶版品となっております。
この背嚢ですが・・・残念な事にタイトル通り一部欠損が御座います・・・(その分お安く買えたのですが・・・)
本体には汚れや一部解れが御座いますが原型を留めております。
さて・・・それでは御紹介していきたいと思います。
背嚢上部の画像。
まずこの背嚢の特徴の1つですが・・・
背嚢の口は紐で絞って開閉するという事です。
紐で絞ると云いましても・・・
口周辺には金属鳩目が打たれており、この鳩目に紐が通っております。
日本軍の背嚢としては珍しい方法ですね。
金属鳩目のアップ画像。
上は鳩目の表側、下の画像が裏側の画像。
生地は厚い物では無いので鳩目が外れないか心配ですが
しっかりと固定されており紐を通し絞っても問題なさそうに見えます。
またこの背嚢は紐で絞った口を上から蓋をします。
画像のボタンホールのある蓋は背嚢後面(背面)側に縫い付けられているものです。
こちらは背嚢正面上部にある釦の画像。
上の画像のボタンホールのある蓋はこの釦に通し固定します。
ボタンは4つ穴の茶色の物です。経年の為大分痛んだおります。
試しに紐を絞り、蓋をしてみた状態。
蓋の片側の釦はもう崩壊気味です(汗
ちなみに・・・背嚢正面には本来は飯盒縛着用(固定用?)の紐が縫い付けられています。
紐の先端は金具装着されています。
しかし・・・悲しいかな。こいつは残念ながら紐は取り外されています・・・・
戦後永きに渡り使用されてきたのでしょう。
九九式も蛸足が切られた物などよく見掛けますが
その姿は軍用としての役割を終えてまさに「戦後」を歩んで来たんだなぁと実感します。
続いては両側面からの画像。
画像の赤丸の部分は欠損している箇所です。
この部分も特徴的でこの背嚢では縛着用の紐は正面真ん中と上部に2つしか御座いません。
(画像の背嚢ではいずれも欠損しておりますが・・・)
左右両側面の縛着は画像にあるO状の金具に紐を巻きつけて行います。
つまり縛着用の紐は取り外しが出来るのです。
縛着用O状金具の拡大画像。
金具は朱色に近い色のようです。
やはり負荷の掛かる部分ですので厳重に縫い付けされています。
また面白いのはこの縛着用O状金具上下では向きが異なるのです。
上の金具は上向きに。下の金具は横向きに縫い付けられています。
お次は背嚢下部(底部)の画像。
汚れなど多数ありますね・・・
続いては背嚢後面(背面)側の画像。
この部分も特徴的なのですが・・・しかし・・・
よく見ると九九式背嚢に似た構造ですね。(こちらの方が先発ですが)
画像の黒丸は縛着用の紐が欠損している箇所です。
O状金具を使用していますがその位置や構造は九九式に共通するものあると思います。
続いては負い紐部の画像。
この肩当て部も九九式に通じる物がありますね。
負い紐の長さ調整金具部の画像。
この調整金具のある負い紐は下部ではなく横に縫い付けられています。
てっきり負紐は上下に縫い付けられているものと思っていましたが
これには少々驚きました。
昭五式は勿論の事九九式でも負紐の下は下部にあるのですが・・・
何とも個性的な背嚢です。
ですが負い紐の長さ調整金具部は朱色の物で構造的には九九式と変わらないようにみえます。
いくつの特徴は九九式に引き継がれているように思えますね。
さて最後は内部の画像を紹介していきたいと思います。
背嚢内部は白地の布が貼られています。
背嚢後面(背面)側には画像のように紐で口を留めるポケットがあります。
意外と大型です。
そして内部の両側面には小さなポケットが設けられています。
細長い小物類でも収納するのでしょうか。
最後に内部のある検定印の画像。
昭和何年製かは薄れてしまい分かりませんが・・・恐らく13年か14年だと推測されます。
(しかし拾○年表記は珍しいのでは)
本廠検定。小畑納と表記されています。
氏名欄は複数名の名前が記入されており何度も人の手に渡ったことが分かります。
即出ですが・・・13年制背嚢と思しき写真を・・・
いずれも大陸での装着例で御座います。
縛着紐の結び方など見ていて参考になりますね。
さて以上で日本陸軍 実物 昭和十三年制背嚢 (欠損あり) の記事になります。
この背嚢ですが。。。昭五式、九九式と比べると大変小型です。
円匙や天幕など縛着出来るにしましても本体の容量はあまり無いように思えます。
ですが・・・私は結構好きですね・・!
今回ご紹介した背嚢は欠損ありの実物ですので野外で装備したりなどはまずしません。
貴重な逸品ですしこれ以上汚すのは・・・恐らく長期厳重保管モードになると思います。
しかしこの背嚢の複製品は是非欲しいですね・・・!
もしくはこの背嚢を補修して甦らしたいですね・・・!
この背嚢を補修もしくは複製品を製作して下さる業者さまはいらっしゃらないでしょうか・・・(懇願)
製作して下さるのなら採寸用に無償で差し上げたいぐらいです・・・!
いつの日かこの背嚢に円匙や天幕などを縛着して再現出来る日が来るのを夢みています。
(夢みるのではなく自分で動かないと意味ないですねw)
さて今回は以上になります。
ではでは~
ノシ
今回ご紹介しますのはこちら・・・!
こちらは実物 日本陸軍 昭和十三年制背嚢 になります。
試製背嚢とも呼ばれている背嚢で短期間しか使用されなかった珍しい背嚢です。
昭五式背嚢と九九式背嚢の間に当たる背嚢で全て非革素材で作られており綿素材で作られております。
この背嚢は独特の特徴があり、私は結構好きなのですが
後に九九式(蛸足)背嚢が採用されたところを見ると・・・やはりよく言われるように使い勝手が良くなかったのでしょう。
ちなみに複製品では中田商店さんが販売されていましたがやはり絶版品となっております。
この背嚢ですが・・・残念な事にタイトル通り一部欠損が御座います・・・(その分お安く買えたのですが・・・)
本体には汚れや一部解れが御座いますが原型を留めております。
さて・・・それでは御紹介していきたいと思います。
背嚢上部の画像。
まずこの背嚢の特徴の1つですが・・・
背嚢の口は紐で絞って開閉するという事です。
紐で絞ると云いましても・・・
口周辺には金属鳩目が打たれており、この鳩目に紐が通っております。
日本軍の背嚢としては珍しい方法ですね。
金属鳩目のアップ画像。
上は鳩目の表側、下の画像が裏側の画像。
生地は厚い物では無いので鳩目が外れないか心配ですが
しっかりと固定されており紐を通し絞っても問題なさそうに見えます。
またこの背嚢は紐で絞った口を上から蓋をします。
画像のボタンホールのある蓋は背嚢後面(背面)側に縫い付けられているものです。
こちらは背嚢正面上部にある釦の画像。
上の画像のボタンホールのある蓋はこの釦に通し固定します。
ボタンは4つ穴の茶色の物です。経年の為大分痛んだおります。
試しに紐を絞り、蓋をしてみた状態。
蓋の片側の釦はもう崩壊気味です(汗
ちなみに・・・背嚢正面には本来は飯盒縛着用(固定用?)の紐が縫い付けられています。
紐の先端は金具装着されています。
しかし・・・悲しいかな。こいつは残念ながら紐は取り外されています・・・・
戦後永きに渡り使用されてきたのでしょう。
九九式も蛸足が切られた物などよく見掛けますが
その姿は軍用としての役割を終えてまさに「戦後」を歩んで来たんだなぁと実感します。
続いては両側面からの画像。
画像の赤丸の部分は欠損している箇所です。
この部分も特徴的でこの背嚢では縛着用の紐は正面真ん中と上部に2つしか御座いません。
(画像の背嚢ではいずれも欠損しておりますが・・・)
左右両側面の縛着は画像にあるO状の金具に紐を巻きつけて行います。
つまり縛着用の紐は取り外しが出来るのです。
縛着用O状金具の拡大画像。
金具は朱色に近い色のようです。
やはり負荷の掛かる部分ですので厳重に縫い付けされています。
また面白いのはこの縛着用O状金具上下では向きが異なるのです。
上の金具は上向きに。下の金具は横向きに縫い付けられています。
お次は背嚢下部(底部)の画像。
汚れなど多数ありますね・・・
続いては背嚢後面(背面)側の画像。
この部分も特徴的なのですが・・・しかし・・・
よく見ると九九式背嚢に似た構造ですね。(こちらの方が先発ですが)
画像の黒丸は縛着用の紐が欠損している箇所です。
O状金具を使用していますがその位置や構造は九九式に共通するものあると思います。
続いては負い紐部の画像。
この肩当て部も九九式に通じる物がありますね。
負い紐の長さ調整金具部の画像。
この調整金具のある負い紐は下部ではなく横に縫い付けられています。
てっきり負紐は上下に縫い付けられているものと思っていましたが
これには少々驚きました。
昭五式は勿論の事九九式でも負紐の下は下部にあるのですが・・・
何とも個性的な背嚢です。
ですが負い紐の長さ調整金具部は朱色の物で構造的には九九式と変わらないようにみえます。
いくつの特徴は九九式に引き継がれているように思えますね。
さて最後は内部の画像を紹介していきたいと思います。
背嚢内部は白地の布が貼られています。
背嚢後面(背面)側には画像のように紐で口を留めるポケットがあります。
意外と大型です。
そして内部の両側面には小さなポケットが設けられています。
細長い小物類でも収納するのでしょうか。
最後に内部のある検定印の画像。
昭和何年製かは薄れてしまい分かりませんが・・・恐らく13年か14年だと推測されます。
(しかし拾○年表記は珍しいのでは)
本廠検定。小畑納と表記されています。
氏名欄は複数名の名前が記入されており何度も人の手に渡ったことが分かります。
即出ですが・・・13年制背嚢と思しき写真を・・・
いずれも大陸での装着例で御座います。
縛着紐の結び方など見ていて参考になりますね。
さて以上で日本陸軍 実物 昭和十三年制背嚢 (欠損あり) の記事になります。
この背嚢ですが。。。昭五式、九九式と比べると大変小型です。
円匙や天幕など縛着出来るにしましても本体の容量はあまり無いように思えます。
ですが・・・私は結構好きですね・・!
今回ご紹介した背嚢は欠損ありの実物ですので野外で装備したりなどはまずしません。
貴重な逸品ですしこれ以上汚すのは・・・恐らく長期厳重保管モードになると思います。
しかしこの背嚢の複製品は是非欲しいですね・・・!
もしくはこの背嚢を補修して甦らしたいですね・・・!
この背嚢を補修もしくは複製品を製作して下さる業者さまはいらっしゃらないでしょうか・・・(懇願)
製作して下さるのなら採寸用に無償で差し上げたいぐらいです・・・!
いつの日かこの背嚢に円匙や天幕などを縛着して再現出来る日が来るのを夢みています。
(夢みるのではなく自分で動かないと意味ないですねw)
さて今回は以上になります。
ではでは~
ノシ
Posted by アンチョビことチビ at 00:19│Comments(0)
│・日本軍 実物 装備
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