2016年03月20日
個人業者Sさま製 複製 日本陸軍 昭和十五年制定制雑嚢
皆さんおはこんばんちわ!
さてさて今回もあの業者さまの商品をご紹介したいと思います。
という事で早速画像をば。
こちらは個人業者Sさま製 複製 日本陸軍 兵下士官用 昭和十五年制定制雑嚢になります。
Sさまは軍衣袴など被服類だけでなく雑嚢類を多く製作販売されておられるのは
皆さん既に御存知かと思います。
当ブログでも過去に大正三年制、昭和十二年制改造?の2つを紹介させて頂きましたが
今回私にとって3つ目となるSさま製の雑嚢となります。
この仕様の雑嚢は日本軍装備をされる皆さんには馴染み深い物ではないでしょうか?
私が初めて購入した雑嚢はこの仕様の複製雑嚢でしたね・・・!
生地のズーム画像。
Sさま製昭和12年制改、大正3年制雑嚢と同様に
特注された茶褐色(カーキ)帆布生地で製作されております。
雑嚢はやはり本体生地が重要になりますが
色合いも申し分なく尚且つ堅牢な生地となっており
野外でもドンドン使える事でしょう。
雑嚢正面の蓋の端部の画像。
雑嚢の蓋の端の下は丸みのある特徴的な形状をしております。
単純な丸みではなく少し膨らみような形で
Sさま製ではやはり形状も見事再現されております。
蓋にある留め紐(蓋留め紐)の縫製の画像。
この縫製は十五年制雑嚢の特徴的な部分の1つで
今までの十二年制以前の物とは異なり厳重に渦巻状の縫製が施されております。
重量があると留め紐にも負荷が掛かり従来の縫製では結果として
解れ易かったのでしょうか。面白い形ですね・・・!
Sさま製ではこの特徴をやはり再現されており丁寧に施されております。
雑嚢の蓋を開いた状態の画像。
蓋の裏側にある留め紐部の画像。
当て布で補強されており厳重な縫製もあって
かなり実用的な印象です。頑丈に作られております。
雑嚢本体部の画像。
留め紐は全て布製です。
蓋留め2箇所と物入れ上部を閉めるのに1箇所の合計3箇所になります。
留め紐通しの画像。
この雑嚢は紐式でシンプルのように見えますが
ループの向きと配置は考慮されており
上で紹介した蓋の留め紐の縫製からも分かるように
単純に簡素化された訳ではない事が分かりますね。
雑嚢本体左右の端の縫い付けの画像。
内部の仕切りの為の物のようですね。
続いては雑嚢内部の画像。
仕切りがあり前部は広く後部は狭く小さく作られております。
蓋と本体との縫製部の画像。
今までのSさま製と同様に丁寧かつ等間隔に縫い付けられております。
こちらは後部物入れの留め紐部の画像。
縫製は□に近い物となっております。
同じSさま製の十二年制改造と比べてみるのも面白そうですね!
検定印部の画像。
昭和15年製と本廠検定の印にSさま製を表す印になります。
雑嚢の検印はシンプルな物なのですがそれでもあるとないとでは全く違いますね。
続いては雑嚢後部の画像になります。
腰吊り用のフック金具の画像。
鋲でフック金具は留められており
フック金具はちゃんと焼付塗装されております。
色合いも良く簡単に剥がれるような事は無いと思います。
次は負い紐(釣紐)の画像になります。
現代人のサイズに合わせて少し長めに製作されております。
配慮の行き届いた品ですね。。。!
負い紐の生地のズーム画像。
やはり一から製作された生地で既に十二年制や大正三年制で
使用されており定評のある生地で御座います・・・!
雑嚢本体と負い紐(釣紐)との接合部の画像。
負い紐の長さ調整金具の画像。
こちらも焼付塗装が施されており
最初から塗装が剥げていたりや錆などは御座いません。
続いては中田商店製の昭和十六年制雑嚢と並べてみました。
左が中田商店製。(未使用の予備)
右が今回ご紹介するSさま製雑嚢になります。
蓋を開いた状態の画像。
左が中田商店製。(未使用の予備)
右が今回ご紹介するSさま製雑嚢になります。
サイズに差異があるのが分かりますね。
留め紐通し用ループの画像。
左が中田商店製。(未使用の予備)
右が今回ご紹介するSさま製雑嚢になります。
布製ループの処理にも差異が見られます。
蓋の正面から見た留め紐の縫製の画像。
左が中田商店製。(未使用の予備)
右が今回ご紹介するSさま製雑嚢になります。
一見似ていますが微妙に異なる縫製ですね。
検印部の画像。
上が中田商店製。(未使用の予備)
下が今回ご紹介するSさま製雑嚢になります。
腰吊り用のフック金具の画像。
鋲の材質の違いから16年制、15年制なのかが分かると思います。
長さや縫製にも差異が見られますが
中田製はロット違いでも微妙に差がありますので一概に判断出来ません。
負い紐(釣紐)の画像。
上が中田商店製。(未使用の予備)
下が今回ご紹介するSさま製雑嚢になります。
生地の幅にも微妙に異なり金具の仕様も異なっております。
最後に同じSさま製の昭和十二年制改?雑嚢と比べてみましょう。
左は以前紹介したSさま製昭和十二年制改?雑嚢。
右が今回ご紹介する同じくSさま製昭和十五年制雑嚢になります。
左は以前紹介したSさま製昭和十二年制改?雑嚢。
右が今回ご紹介する同じくSさま製昭和十五年制雑嚢になります。
蓋留め紐の縫製は大分異なっております。
それだけでなく蓋の大きさから分かるように
サイズも大分異なっております。
普通でしたら大きさも同じで縫製なども流用したりと
使い回してもおかしくないのですが・・・
Sさまはそのような事はなく違いを見事再現されております。
金具まで異なった物を採用しており
15年制雑嚢の特徴を余すことなく再現されております。
さて以上で個人業者Sさま製 複製 日本陸軍 昭和十五年制定制雑嚢の紹介になります。
複製雑嚢は意外と容易に入手し易い環境かもしれませんが
軍装する時代に合わせるとなると選択肢は少なくなると思います。
その点Sさまの品は大正三年制、昭和十二年制、十五年制、戦時型と
豊富なバリエーションが揃っており本当に有難い限りで御座います。
過去に紹介した雑嚢の記事から分かるように
雑嚢1つ1つ、独特な仕様を再現されております。
これを再現する為に並々ならぬ労苦を背負って来られた事でしょう。
その事を忘れず大切にして使っていきたいと思います・・・!
是非これからも新製品を楽しみにして購入していきたいと思っております!
さて今回は以上になります。
ではでは~
ノシ
御無沙汰しております。台湾人さん!
御返事遅くなってしまい申し訳御座いません。
私は最近、再販された中田商店製の昭五式水筒を購入しましたが
やはりそちらも少し短く感じました。
実物と比較してみますと近い負紐の長さでしたので
雑嚢も中田商店では実物に近い長さで製作されているのかもしれません。
しかし装着すれば、少し短い、腰の上に
歴史の写真とサバゲーの写真を見ると
ほとんどにお尻まで装着します