2011年02月14日
日本陸軍 兵・下士官用防暑衣袴 中田製
さて今回は日本陸軍の兵・下士官用防暑衣袴をご紹介致します。
防暑衣は南方など酷暑、熱帯地域にて着用された特殊な衣服です。
防暑襦袢や防暑略衣と異なり、比較的厚手で夏用軍衣袴に準じた作りになっています。
しかし細部は夏用軍衣と大きく異なる個所もございます。
今回はこれをご紹介致します。
こちらが日本陸軍の防暑衣になります。中田商店で近年発売されたレプリカです。
剣吊に腰ポケット、5つのボタン、そして丈の長さ。
殆ど外見は九八式軍衣と変わらないですね。
ちなみにこれ以前の初期型の防暑衣は貼り付け型ポケットです。
当初は昭五式と同様の肩章式ですが、途中から襟章式へ変更されます。
さて九八式と決定的に違う部分があるのは皆さんご存知かと思います。
まず何といってもココですね。
脇の大型通気口です。
九八式夏衣では画像の一番上のような小さな通気口のみですが、
防暑衣ではその下にさらにボタン開閉式の大型の通気口が設けられます。
やはり南方の酷暑による発汗、通気性を考慮した作りということですね。
日本兵の殆どは陸地での移動は徒歩でしたので、こうした構造を取り入れることはきわめて重要だったと思います。
もうひとつの大きな違いは襟元を止めるフックが無いことです。
これは九八式と同じで恐らく開襟式の使用も見越してのことでしょうかね・・?
常に汗を掻いてしまう炎天下の酷暑の地域ではフックで襟元を閉めることは少ないと思いますし、
首元や喉元の発汗・通気性を考えても省かれて当然なのかもしれませんね。。
実物の九八式夏衣と防暑衣の比較。
ちなみに左の九八式はサイズは4号(S~Mの中間ぐらい)、右の防暑衣はLサイズです。
九八式夏衣には適当な出来のカラー(襟布)が付いていますが気にしないw
以前九八式夏衣の記事にも記載致しましたが
軍衣の襟の汚れと生地の摩耗を減らすため、また儀礼上の意味も込めて襟布は装着されることは多いのですが、
防暑衣は果たしてどうだったのでしょうか・・・・?
この防暑衣に襟を装着している写真や話はあまり聞きません・・・・(これも私のリサーチ不足のせいか!?)
これもフックが無いのと同様に酷暑地帯では襟を締める必要がないからでしょうか。
将校の南方被服の開襟式軍衣などの例を見ても首は垢で汚れやすく、何より大量の発汗をするので
下に着用している襦袢(シャツ)の襟を軍衣の上に出していますね。
つまり兵用防暑衣も同様に開襟状態で着用していても不思議ではないでしょうね。
今度は袴(ズボン)の比較です。
右は九八式夏袴、右は今回の防暑袴です。左はPKミリタリア製。右は中田製です。
サイズは九八式がSサイズで、防暑袴はLサイズです。
サイズの差も考慮して見比べて頂けたら幸いです。
いずれも複製品です。勿論兵・下士官用です。
一応実物の兵用九八式夏袴を所持しているのですが押し入れに大切に保管しているので出すのが面倒くさ(ry
それはさておき、この両者ですが・・・
殆ど作りも生地も厚さも同じですね!!
勿論多少の違いは勿論あります。
例えば上の画像で見える九八式夏袴にある内張り。
これは防暑袴にはありません。
あとはボタンの色と大きさ、腰紐の色ぐらいでしょうか・・・・?
この辺は大差ございませんし、実物の袴においてもボタンなどには時代などによって差異があります。
(訂正)防暑衣の袴は半袴といい、防暑衣の対として支給?という制定があったようで、
中田のこの防暑袴も半袴ということになるのでしょうか・・・?(さらに訂正) 防暑略衣とセットとなる半ズボン丈の物を略袴と言うようです。
(断片的な知識のみで申し訳ございません!)
そして膝丈寸の物を半袴といいます。
中田商店製の防暑衣とセットとなる袴は普通のズボン丈の短袴なります。
しかしこの中田の防暑袴は殆ど九八式夏袴と変わりません。
中田の防暑衣袴は = 九八式夏袴・・・・としか思えません。
う~ん・・・謎ですね。素人なばっかりに・・・・まだまだ精進が足りないのか!?
袴の後ろです。
画像では分かりませんが細かい部分まで両者は酷似しています。
もう少し拡大した画像をw
九八式夏袴です。
防暑袴です。
これって九八式夏袴でFA?w
う~ん・・・防暑衣袴のセットは謎だw
これ分かんないね!!w
最後に
中田製の防暑衣袴ですが、南方用被服ですが場合によっては九八式の代用にもピッタリですね。
でも中田に九八式夏衣袴が入荷していますが・・・・・w
しかしこれで12000円は素晴らしいと思います!
問題は生地の色ぐらいですかね・・・・?
中田の物は新品状態では灰色掛かった色ですね。
実際実物でも灰色掛かった物はあるんですが(これは製造年や生産地域による差かと)
やはり九八式夏衣と同様カーキ掛かった色にして欲しいですね。
しかし何回も使って洗濯を繰り返せば色も落ちてきますし、
汗などで変色してくると思います。
以上!中田製防暑衣袴でした~
中田製の防暑衣袴セットの袴に関して言えば
九八式夏袴と生地の色以外はほぼ作りも同じです。
なので十分着用できますよ。
ですが防暑衣袴のセットを購入されるよりも
上衣と袴をそれぞれ別売されているPKミリタリアさまの
九八式袴をお勧め致しますよ~
やはり年代によって違いますよねw
返答感謝します!w
九八式夏衣の上衣は、持っているので、下の袴も一緒に穿けるかなと思いましてwいけないことはないですよね!?w
こんにちわ上等兵さん。
率直に言うとこの中田製防暑衣の色は同社の九八式夏衣と比べると
違います。
と言いますのも、この防暑衣の色は全体的にグレー(灰色)が強いのです。
漂白剤など使用して洗濯&日干ししても中々強い灰色は落ちません。
しかし実物防暑衣でも灰色の強い物は確認されています。
決して中田商店の間違いでは無いと思います。
推測ではありますが生産年や工廠などによって異なってくるのではないでしょうか?
ともあれ私は実物をイベントで拝見致しましたが
やはり生地の色的には九八式に近い物でした。
もしこの防暑衣の生地の色が気になるのでしたら、
お買い求めは無難に九八式夏衣をお勧め致しますよ~
九八式夏衣と防暑衣は、生地の色は同じでしょうか!?
写真を見ると少し違う気がするのですが・・・w
略袴など全くもって知りませんでした・・・
お恥ずかしい限りです・・・
私のような若輩者に幾度もご指南して頂き本当にありがとうございます!!
少しずつではありますが知識を必死に蓄えていきたく思いますので、
こんな私のブログでよければまたご教示頂けましたら幸いです。
この度は本当に貴重な知識を教えて頂き本当にありがとうございました!
膝丈寸の袴を半袴と言います。
中田商店の物は通常の短袴となります。
初めまして!通りすがりの人さん!!
貴重な知識をご教授頂き本当にありがとうございます!!
すぐに訂正修正致します!