2013年02月26日
実物 日本陸軍 表豚革製 兵下士官用編上靴
さてさて今回は久しぶりに日本軍実物装備をご紹介したいと思います。
今回ご紹介するのはこちら!
こちらは 実物 日本陸軍 表豚革製 兵下士官用編上靴 になります。
実物の編上靴は購入しても、私は履く事はまず無いのですが・・・
程度のあまり良くない品を参考用に購入致しました。
編上靴の正面の画像。
画像をご覧になって分かりになると思いますが
状態は良くないです。
鳩目は一部欠損し、錆があり、靴底も損傷しています。
しかし実物の構造を理解出来る品かと思います。
靴の革生地のアップ。
購入するまでは牛革製と勘違いしていたのですが
画像の通り、大きな特徴的な毛穴が存在することから豚革製であることが分かります。
中田商店製の兵用編上靴は昭五式?なのですが
この実物品は昭五式には該当せず事変以降の大量動員に合わせて製作・供給されたものと思われます。
部位によって革質が異なるのですが、やはり総じて豚革製のようです。
編上靴の後面の画像。
踵部の靴底が破損しております。
上部からの画像。
中田製の編上靴(昭五式)に慣れていますと
シルエットの違いに?となってしまう方も多いのではないのでしょうか・・・?
側面部の画像。
ここにも微妙に違いがあるのですが、それは後ほど。
靴底(裏部)の画像。
大分磨耗と破損が目立っております。
それでは細部を見ていきたいと思います。
靴紐を通す鳩目部分の画像。
錆が酷いです。
鳩目は厚さ薄めのものとなっています。
両側面にある縫合箇所。
ここは扇状に3つの縫い目が御座います。
靴のコバ部。
画像では分かり難いですが周縁部の革はキチっと縫い合わされています。
履口周りの側面にある打印部の画像。
見難いですが何と打たれているかお分かりになるでしょうか・・・・?
別角度からの画像。
10.3と打たれています。
これは文表記で10文3分という意味で現代のサイズでいうと24.5相当になります。
現代人からみると、かなり小さいサイズですね。。。(汗
一度試しに足に履いてみると確かに24.5ら辺でした!
続いては踵とつま先部との生地の縫合部の画像。
お次は踵部の画像。
ここも破損が激しい箇所です・・・
しかしそのおかげで釘の打たれている仕組みがよく分かります。
ですが踵に金具が打たれていたかなどは判別出来ません・・・
次はつま先付近のアウトソールの画像。
この靴のアウトソール部は特徴的で大型の鋲(金具)が打たれています。
別角度からの画像。
大型の鋲は合計で何箇所打たれていたかは破損が激しいので不明ではありますが
大型の物以外にも通常サイズの鋲も打たれております。
大型の鋲の形状は三角形だったのか菱形だったのか・・・それも破損激しく判別不能です。
一括りに編上靴といいましても多種多様な仕様がありますので
どのような物だったのか・・・どんな種類があるのかな考えてみるの面白いと思います!
(ゴム底仕様の物など・・・一度でいいから拝見してみたいです・・・)
靴裏のシャンク部(土踏まず)の画像。
この部分には刻印があるのですが・・・・
あるはずなのですが・・・こちらも磨耗して読み取れません・・・(汗
仕方ないね・・・
以上でかな~りアバウトな豚革製 編上靴の紹介になります。
さてお次は中田商店製の複製 昭五式編上靴と並べてみましょう。
左は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
右が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
外観だけでなく構造もあまり変わらないように見えますが
実は似て非なるもの・・・・素材も異なり細部にも違いが御座います。
(本当は実物昭五式と比べた方が良いのですが・・・汗)
上部からの画像。
パっと見ただけでも両者違いのある部位があると思います。
まずはつま先部の形状です。
右の実物 豚革製 編上靴ではシャープな形状ですが
左の中田製では大して丸い形状になっています。
これは現代人に合わせたサイズである為か、やはり年式による仕様の違いなのか。
はたまた素材の違いから来る作りの差なのか。
私には分かりません・・・が気にするほどのことでもないかもしれません・・・!
続いては金属鳩目部の画像。
上が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
真ん中は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
下は裏革仕様の中田製編上靴。
実物の豚革編上靴では鳩目は薄く、
中田製編上靴。では表革仕様が最も厚い作りになっています。
また鳩目横にある舌革(ベロ)の縫い目にも違いが御座います。
実物はこの縫い目は一直線状ですが
中田製では総じてクの字状に返した縫い目になっております。
それだけでは御座いません。
側面にある縫い目にも違いが御座います。
上が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
真ん中は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
下は裏革仕様の中田製編上靴。
実物では3本の縫い目ですが、中田製は2本の縫い目です。
これはあくまで私の推測なのですが
実物の縫い目は豚革という素材を考慮し強度耐久性を確保する為に処置ではないか?と推測します。
しかし他の豚革仕様の編上靴は大概2本の縫い目なのですが。。。
後期の仕様か・・・?はたまた将校用か・・・?
知識が無い為、どんどん想像が広ガリングしますが・・・確証が御座いません。
しかし・・・興味深いですね!
側面下部の画像。
上が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
真ん中は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
下は裏革仕様の中田製編上靴。
後部(踵部)の生地の縫い目の数も異なります。
続いては後面の画像。
後部(内側からみた)の画像。
上が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
真ん中は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
下は裏革仕様の中田製編上靴。
上で紹介した側面下部の画像と同様に(当然、縫い目が繋がっておりますので)
縫い目の数は異なっております。
以上で簡単な実物 日本陸軍 表豚革製 兵下士官用編上靴 の紹介になります。
今回ご紹介した豚革製 編上靴の制式な名称、年代は未だ不明で御座いますが
自分なりに考え、調べてみるのも面白いと思います・・・!
しかし・・・今度は是非、実物の昭五式を購入したいものです・・・
程度が良いものは・・・あるでしょうか。
さて今回は以上になります!
でわでわ~
ノシ
今回ご紹介するのはこちら!
こちらは 実物 日本陸軍 表豚革製 兵下士官用編上靴 になります。
実物の編上靴は購入しても、私は履く事はまず無いのですが・・・
程度のあまり良くない品を参考用に購入致しました。
編上靴の正面の画像。
画像をご覧になって分かりになると思いますが
状態は良くないです。
鳩目は一部欠損し、錆があり、靴底も損傷しています。
しかし実物の構造を理解出来る品かと思います。
靴の革生地のアップ。
購入するまでは牛革製と勘違いしていたのですが
画像の通り、大きな特徴的な毛穴が存在することから豚革製であることが分かります。
中田商店製の兵用編上靴は昭五式?なのですが
この実物品は昭五式には該当せず事変以降の大量動員に合わせて製作・供給されたものと思われます。
部位によって革質が異なるのですが、やはり総じて豚革製のようです。
編上靴の後面の画像。
踵部の靴底が破損しております。
上部からの画像。
中田製の編上靴(昭五式)に慣れていますと
シルエットの違いに?となってしまう方も多いのではないのでしょうか・・・?
側面部の画像。
ここにも微妙に違いがあるのですが、それは後ほど。
靴底(裏部)の画像。
大分磨耗と破損が目立っております。
それでは細部を見ていきたいと思います。
靴紐を通す鳩目部分の画像。
錆が酷いです。
鳩目は厚さ薄めのものとなっています。
両側面にある縫合箇所。
ここは扇状に3つの縫い目が御座います。
靴のコバ部。
画像では分かり難いですが周縁部の革はキチっと縫い合わされています。
履口周りの側面にある打印部の画像。
見難いですが何と打たれているかお分かりになるでしょうか・・・・?
別角度からの画像。
10.3と打たれています。
これは文表記で10文3分という意味で現代のサイズでいうと24.5相当になります。
現代人からみると、かなり小さいサイズですね。。。(汗
一度試しに足に履いてみると確かに24.5ら辺でした!
続いては踵とつま先部との生地の縫合部の画像。
お次は踵部の画像。
ここも破損が激しい箇所です・・・
しかしそのおかげで釘の打たれている仕組みがよく分かります。
ですが踵に金具が打たれていたかなどは判別出来ません・・・
次はつま先付近のアウトソールの画像。
この靴のアウトソール部は特徴的で大型の鋲(金具)が打たれています。
別角度からの画像。
大型の鋲は合計で何箇所打たれていたかは破損が激しいので不明ではありますが
大型の物以外にも通常サイズの鋲も打たれております。
大型の鋲の形状は三角形だったのか菱形だったのか・・・それも破損激しく判別不能です。
一括りに編上靴といいましても多種多様な仕様がありますので
どのような物だったのか・・・どんな種類があるのかな考えてみるの面白いと思います!
(ゴム底仕様の物など・・・一度でいいから拝見してみたいです・・・)
靴裏のシャンク部(土踏まず)の画像。
この部分には刻印があるのですが・・・・
あるはずなのですが・・・こちらも磨耗して読み取れません・・・(汗
仕方ないね・・・
以上でかな~りアバウトな豚革製 編上靴の紹介になります。
さてお次は中田商店製の複製 昭五式編上靴と並べてみましょう。
左は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
右が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
外観だけでなく構造もあまり変わらないように見えますが
実は似て非なるもの・・・・素材も異なり細部にも違いが御座います。
(本当は実物昭五式と比べた方が良いのですが・・・汗)
上部からの画像。
パっと見ただけでも両者違いのある部位があると思います。
まずはつま先部の形状です。
右の実物 豚革製 編上靴ではシャープな形状ですが
左の中田製では大して丸い形状になっています。
これは現代人に合わせたサイズである為か、やはり年式による仕様の違いなのか。
はたまた素材の違いから来る作りの差なのか。
私には分かりません・・・が気にするほどのことでもないかもしれません・・・!
続いては金属鳩目部の画像。
上が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
真ん中は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
下は裏革仕様の中田製編上靴。
実物の豚革編上靴では鳩目は薄く、
中田製編上靴。では表革仕様が最も厚い作りになっています。
また鳩目横にある舌革(ベロ)の縫い目にも違いが御座います。
実物はこの縫い目は一直線状ですが
中田製では総じてクの字状に返した縫い目になっております。
それだけでは御座いません。
側面にある縫い目にも違いが御座います。
上が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
真ん中は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
下は裏革仕様の中田製編上靴。
実物では3本の縫い目ですが、中田製は2本の縫い目です。
これはあくまで私の推測なのですが
実物の縫い目は豚革という素材を考慮し強度耐久性を確保する為に処置ではないか?と推測します。
しかし他の豚革仕様の編上靴は大概2本の縫い目なのですが。。。
後期の仕様か・・・?はたまた将校用か・・・?
知識が無い為、どんどん想像が広ガリングしますが・・・確証が御座いません。
しかし・・・興味深いですね!
側面下部の画像。
上が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
真ん中は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
下は裏革仕様の中田製編上靴。
後部(踵部)の生地の縫い目の数も異なります。
続いては後面の画像。
後部(内側からみた)の画像。
上が今回ご紹介する実物 豚革製 編上靴。
真ん中は表革仕様の中田製 複製 編上靴。
下は裏革仕様の中田製編上靴。
上で紹介した側面下部の画像と同様に(当然、縫い目が繋がっておりますので)
縫い目の数は異なっております。
以上で簡単な実物 日本陸軍 表豚革製 兵下士官用編上靴 の紹介になります。
今回ご紹介した豚革製 編上靴の制式な名称、年代は未だ不明で御座いますが
自分なりに考え、調べてみるのも面白いと思います・・・!
しかし・・・今度は是非、実物の昭五式を購入したいものです・・・
程度が良いものは・・・あるでしょうか。
さて今回は以上になります!
でわでわ~
ノシ
Posted by アンチョビことチビ at 18:37│Comments(6)
│・日本軍 実物 装備
この記事へのコメント
>>milchさん
この度は私のブログに御足労頂き本当に有難う御座います!
この編上靴はそのような物だったとは・・・!
全く存じませんでした!鋲は民生品だったのですね!
貴重な知識を御教授下さり本当に有難う御座います!
ますますこの編上靴に対して興味と愛着が沸きました!
常に手入れを怠らず大切に保管していきたいと思います!
この度は私のブログに御足労頂き本当に有難う御座います!
この編上靴はそのような物だったとは・・・!
全く存じませんでした!鋲は民生品だったのですね!
貴重な知識を御教授下さり本当に有難う御座います!
ますますこの編上靴に対して興味と愛着が沸きました!
常に手入れを怠らず大切に保管していきたいと思います!
Posted by アンチョビことチビ at 2013年03月03日 11:13
>>人見広助さん
お久しぶりで御座います。
未使用品をお持ちとは素晴らしいですね!
実物着用に関しましては私は着用する予定は御座いませんが
私の知り合いの方達にも色々な意見が御座いますので
良いか悪いかは割愛させて頂きます。
お久しぶりで御座います。
未使用品をお持ちとは素晴らしいですね!
実物着用に関しましては私は着用する予定は御座いませんが
私の知り合いの方達にも色々な意見が御座いますので
良いか悪いかは割愛させて頂きます。
Posted by アンチョビことチビ at 2013年03月03日 11:07
これは希少な外縫式編上靴ですね。皮革が統制品となり、仕事がなくなった市井の靴職人に、軍が授産事業として作らせたものなので、数はとても少ないです。鋲は、民生品ですが、軍でも活用していました。
中田のは内縫式をモデル化していて、爪先には樹脂芯が入っていますが、同時の編上靴には先芯はありませんでした。印象が違うのはそのためかと。
なかなか珍しいものなので、下手にいじったりせず、現状維持に努められることを希望します。
中田のは内縫式をモデル化していて、爪先には樹脂芯が入っていますが、同時の編上靴には先芯はありませんでした。印象が違うのはそのためかと。
なかなか珍しいものなので、下手にいじったりせず、現状維持に努められることを希望します。
Posted by milch at 2013年03月03日 00:30
歴史的遺物の実物を実際に履くのは勿体ないというか恐れ多いので、コレクション用で履かない方がいいですね。
未使用新品の豚革靴持ってます。
そのうち自分のプログで紹介しますね。
未使用新品の豚革靴持ってます。
そのうち自分のプログで紹介しますね。
Posted by 人見広助 at 2013年02月28日 22:50
>>85式まっちょさん
オッスオッス!こんばんわっス!!
釘や金具は大分錆が進行してますが・・・
確かに底を変えたら履けそうですね!
しかし・・・足のサイズが24.5と小さいので・・・(涙
オッスオッス!こんばんわっス!!
釘や金具は大分錆が進行してますが・・・
確かに底を変えたら履けそうですね!
しかし・・・足のサイズが24.5と小さいので・・・(涙
Posted by アンチョビことチビ at 2013年02月27日 23:56
靴底張り替えたら履けそうやね(((o(*゚▽゚*)o)))
Posted by 85式まっちょ at 2013年02月27日 21:16
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