2015年01月13日
個人業者Sさま製 複製 日本陸軍 兵下士官用 大正三年制定雑嚢
さてさて今年最初の日本軍複製品を御紹介したいと思います。
まずはいつも通り画像から!
こちらは 個人業者Sさま製 複製 日本陸軍 兵下士官用 大正三年制定雑嚢 になります。
今年も早速、個人業者Sさま製の品を御紹介したいと思います!
昨年10月頃にSさま製の昭和12年制定(改造?)雑嚢を紹介させて頂きましたが
下記がその紹介記事になります。
http://nihonmasamasa.militaryblog.jp/e592699.html (Sさま製 複製 日本陸軍 昭和十二年制定雑嚢)
この度、ようやく続いて新製品である大正三年制定雑嚢を購入させて頂きました・・・!
(昨年10月頃には既に販売されていたのですが・・・)
昭五式だけでなく改四五式など昭和以前の軍装にも最適で数少ない複製品です。
それでは細かく見て行きたいと思います。
まずは生地のズーム画像。
以前に御紹介したSさま製昭和12年制の雑嚢と同様に
特注された帆布生地で製作されております。
柔らか過ぎる事のない硬質な手触りで色合いも茶褐色(カーキ)と
今製品も変わらず素晴らしい生地が用いられております。
雑嚢蓋部の画像。
雑嚢の蓋の下部は綺麗なカーブを描く形状をしております。
縫い目は蓋に合わせて一定の距離を保っており、こちらも綺麗なラインですね。
こちらは雑嚢の革紐縫い付け部の画像。
この雑嚢は革紐(バンド)が用いられておりますので
昭和期の雑嚢と比べ縫製が異なっているのも特徴です。
X字に近い仕立てなのが分かりますね。
雑嚢を開いた状態の画像。
蓋の開閉は革紐とバックル金具で行います。
革生地は天然色(生成り)で厚みのあるしっかりとした生地です。
バックル金具は勿論塗装が施されており海老色に近い色合いになっております。
そして説明通り、塗装はしっかりとされており簡単には剥がれないと思います。
革生地の縫い付けも勿論、丁寧かつ堅牢に行われております。
革生地は天然色(生成り)ですが使用を繰り返し&保革油を塗る事で好みの色合いになると思います。
雑嚢の蓋の端には画像のような縫製がありますが・・・
これは蓋を開いてみると分かるように下の画像のようなリングの縫い糸なのです。
篠原製の旧型雑嚢の記事でも紹介させて頂きましたが
この旧型雑嚢では端にホック金具とその後面に掛ける為のリングが縫い付けられております。
Sさまの雑嚢でもこの特徴のある仕様は見事に再現されています。
フック金具の画像。
バックル金具同様に塗装が施されております。
このようにリングにフックを掛けることで雑嚢をコンパクトにする事が出来ます。
中々面白い構造ですね。しかし製作にかなり手間の掛かる箇所だと思います。
ホックを掛けてコンパクト状態にした画像。
雑嚢の蓋を開けた状態ですが・・・これでは分かり難いですね(汗
お次はホックを掛けて蓋を閉じた状態の画像。
う~んこれでも分かり難いかもしれません(汗
雑嚢内部には何も収納しておらずホックを掛けるとシワが出来てしまいますが
少しでも嵩張らないようにする事が出来ます。
ですが後の雑嚢では省略化されたようですので
手間の掛かる構造の割にこの機能に実用性があったのかは謎ですね(汗
続いては雑嚢内部の画像。
仕切りがあり前面の空間が大きく、後面は小さいです。
雑嚢内部の後面の画像。
蓋の根元部分になりそれに伴う縫いが御座います。
同じSさま製でも昭和12年制の物とは異なり4列に沿って等間隔で縫われております。(昭和12年制では6列)
内部の構造の違いも見事再現されております・・・!
内部の検定印部の画像。
昭和5年製と本廠検定の印にSさま製を表す印で御座います。
腰吊り用のフック金具の画像。
この金具も塗装されており問題無く帯革へ吊る事が出来ます。
続いて負紐部の画像。
以前に紹介した昭和12年制同様、現代人でも問題なく肩かけが行えます。
負紐の雑嚢本体への縫い付け部の画像。
負い紐だけでなくリング金具の縫製も重なっておりますので
複雑かつ時間の要する箇所だと思います。
しかしSさま製は省略する事無く丹念に仕上げられております。
負い紐の生地のズーム画像。
昭和12年制の記事での紹介しましたが一から製作された専用生地で御座います。
色合い、質感ともに申し分ないです・・・!
負い紐の調整用金具の画像。
金具もやはり塗装が施されております。
続いては同じ複製旧型雑嚢同士を並べてみました。
右は以前に御紹介した篠原製複製大正三年制雑嚢。
左が今回ご紹介するSさま製複製大正三年制雑嚢になります。
同じ大正三年制雑嚢ですがやはり製作元が異なりますので
生地や金具などに差異が御座います。
製品化は先発、後発と御座いますが・・・両者とも精巧に出来ておりクオリティが高いです。
微妙な差異が御座いますが基本的な構造は同じです。
下は以前に御紹介した篠原製複製大正三年制雑嚢。
上が今回ご紹介するSさま製複製大正三年制雑嚢になります。
ホックにリング、そして塗装も再現されています。
検定印部の画像。
下は以前に御紹介した篠原製複製大正三年制雑嚢。
上が今回ご紹介するSさま製複製大正三年制雑嚢になります。
バックル部の画像。
下は以前に御紹介した篠原製複製大正三年制雑嚢。
上が今回ご紹介するSさま製複製大正三年制雑嚢になります。
篠原製は何度かオイルで手入れしております。
Sさま製もオイルを塗付していくことで良い色合いに変化していくことでしょう。
蓋の表にある革紐に縫製。
右は以前に御紹介した篠原製複製大正三年制雑嚢。
左が今回ご紹介するSさま製複製大正三年制雑嚢になります。
腰吊り用フック金具の画像。
右は以前に御紹介した篠原製複製大正三年制雑嚢。
左が今回ご紹介するSさま製複製大正三年制雑嚢になります。
光が反射してしまっていますね・・・(汗
負い紐の画像。
下は以前に御紹介した篠原製複製大正三年制雑嚢。
上が今回ご紹介するSさま製複製大正三年制雑嚢になります。
やはりこちらも生地の色合いが異なりますが
両者とも再現度の高い生地が用いられています。
以上で個人業者Sさま製 複製 日本陸軍 兵下士官用 大正三年制定雑嚢 の紹介になります。
しかし・・・Sさまの新製品の雑嚢のラインナップにはただただ驚くばかりですね・・・!
私はまだ未購入なのですが昭和15年制、末期型の雑嚢も新たに販売されており
先に販売された昭和12年制、大正3年制の物も含めると合計4種の雑嚢が販売されております。
これによって軍装の選択肢も増えるのではないでしょうか?数年前までは考えられない事です。
複製品で此処まで揃うのは本当に有難い事だと思います・・・!嬉しい限りです!
さて今回は以上になります。
ではでは~
ノシ
こんばんわ。ガスト上等兵さん。
時期的には昭和七年型になると思っていたのですが
実際の当時の2・26事件の写真を確認してみましたが
革紐式の大正三年型を装備している写真が確認出来ました。
他の写真も見てみたいと思うのですが
雑嚢が鮮明に写った物は中々御座いません。
もう少し調べてみたいと思います。
こんばんわ!すめらさん!
この検定印の違いですが
篠原さま:大正期
Sさま:昭和期
の違いで御座います・・・!
補足するの失念しておりました!申し訳御座いません(汗
検定印の押し方が違ふのですね…。
見えない所ながら何方が正しいか気になりますね…。或いは生産地の違ひでどちらも在るのか…。