皆さんおはこんばんちは。盆休みを如何お過ごしですか?
さてさて今回も軍刀物をご紹介したいと思います。
という事でいつも通り画像をば。
こちらは海外製 贋作 日本陸軍 九五式軍刀③ 中期型になります。
前回に続いて贋作九五式軍刀物になります。
贋作九五式は所謂、初期型の他に中期型も欲しいなぁ・・・と思い
さらに一振り入手し色々弄ってもらう事しました。
中期型に仕立て上げるつもりで入手してみました作業が思いの他、難航してしました・・・(作業は全て他人に丸投げですが)
ちなみに今回は刀身組み込みは前回とは別の方にお頼みしています。
塗装、各部調整は前回と同じく知人にして貰いました。
さて前置きは此処までにして加工前の贋作九五式を紹介したい思います。
こちらがベースとなった贋作九五式軍刀。
噂では向こうでお土産レベルで販売されてるとか??
某オクでも頻繁に見掛ける品ですね。
一見するとそこそこの出来に見えますが・・・そんなことはありません。
こちらは柄と刀身部の画像。
見た目は九五式軍刀です。はい。
一体成型の柄と駐爪から九五式と分かりますね。
しかしよ~く見ると重要な部品の多くが欠品しております。
皆さんはお分かりになるでしょうか?
まず柄の猿手、猿手管が欠品しております。
猿手に関してはぶっちゃけ真鍮棒などで製作するのは容易です。
しかし猿手管は実物に似た金具を探すのは難易度がかなり高いのです。
複製品、贋作では猿手管は目釘としての役割は持たせなくても良いのですが
ネジ式で取り外し可能、尚且つ中央に猿手を通す穴があり頭は丸みのある金具ともなると・・・
自作するか市販品の金具をベースに加工するしかありません。
この猿手管を用意する段階で妥協が発生してしまうのです。
目貫部の画像。
柄の目貫部はまぁ悪くありません。
しかし・・・目釘ネジは何故かプラスネジになっております(汗
さらに目釘ネジの反対側はただのナットで固定されています・・・(汗
さらにさらに駐爪は板バネ式ではなくゴムで弾力を持たせています(笑
此処まで来ると面白いですね・・・w
ちなみに縁部には刻印の類が全くありません。
柄を
側面から見た画像。
目釘ネジは
ナットで固定していますので当然、画像のように
ナットが突き出た形になります。
余計な仕事を増やしてくれますね・・・これは・・・
まだ続きます。
この贋作には柄側、刀身側ともに切羽は存在しません。無いのです。
初期~中期型では刀身側の切羽は駐爪が通る穴がある仕様の切羽なので
九五式軍刀専用の切羽なのです。
まぁ市販品をベースに穴あけなどして加工してやればよいのですが・・・
さらに手間が掛かる事になります。
あっ・・・あとハバキもありません。
ちなみに贋作は贋作でも猿手、猿手管、目釘ネジ、切羽がちゃんと揃っている物もありますので
ご自分で刀身組み込みや塗装をする場合は一式揃っている物を手に入れましょう・・・!
一部界隈で有名な刀身の刻印の画像。
は?天●??
昭和十七年って何やねん・・・
これが一部界隈で有名な天●刀という奴ですね・・・
日本人相手というより軍刀に疎い外国人に売るつもりでこんなのを刻印にしたのでしょう。
いずれにしても馬鹿馬鹿しいにも程がありますね。
さてお次は鞘の画像になります。
柄や刀身があんな出来なのですから・・・鞘も悪い意味で期待できそうです。
鞘はかなり緑の強い色合いです。再塗装して貰うから別にいいけど・・・
実物には
側面のいずれかにと
口金止めネジが存在しますがこの
贋作では
省かれています。
佩鐶の位置は少し後方気味。
佩鐶は圧入?されているだけなのでプラハンなどで叩けば移動させることが出来ます。
鞘先端の石突部の画像。
石突は脅威の溶接不良・・・簡単に外れてしまいそうな石突です。
適当さが滲み出ております・・・
鞘に収納させてみた状態の画像。
画像では分かり難いですが・・・駐爪はうまい事収納されておりません。
しっかり固定されておらず抜けてしまいます。
錆も見られ・・・調整必須です・・・
さてという事で刀身組み込みと塗装、調整をして貰う事に・・・!
今回は刀身組み込みは別の方(実物九五式軍刀に模造刀身を組み込んで下さった方)に
お願いし。刀身組み込み終了後に知人に預けて塗装と各部調整をお願いしました。
画像は佩鐶の位置を調整中の物です。
こちらは柄塗装中の画像。
この贋作は色々試してみる(冒険)事にしました。
さて・・・紆余曲折あって・・・ようやく・・・・
完成!!
今回は中期型製作を目指しましたので錆だらけだった黒鉄鍔を入手し組み込んで貰っています。
柄部の画像。
今回は色々冒険しようと思い柄の色合いも変えてもらいました。
現存する実物では塗装が剥げてしまった物が多いですが柄巻部は朱or赤色分も強いと感じましたので
納入時はこんなのでは。。。?と想像し今回は赤みを強調する配色にして頂きました。
目釘ネジはマイナス仕様に変更しております。
猿手管部の画像。
今回最も残念な箇所・・・妥協を余儀なくされた箇所になります。
猿手管になりそうな金具が中々無く、その過程で柄にある穴を広げ過ぎてしまい
画像のような真鍮金具で代用しております。
せめて大きな面取り(ザグリ?)が無ければ見た目ももう少しマシになるのですが・・・仕方ありません。
ですが猿手も製作して頂き隠れますのでさほど目立たないかもしれません。
円形の黒鍔部の画像。
画像では分かり難いですが切羽も勿論、追加しております。
柄部の両側面からの画像。
黒鍔は薄く大きいので九五式ながら雰囲気が初期型とはかなり異なりますね。
鍔を変えるだけ大分違います。
縁部には刻印が無いことを利用して中期型に見られる刻印の無い鉄製縁のような仕上げにしています。
ただ・・この贋作の縁は鉄製ではないので黒染しても色がすぐ剥げてしまうのが悩みどころです。
鞘に駐爪は問題なく収納出来ます。
この辺の調整は大分苦労されたそうです・・・
ただ駐爪の板バネは急造なので現状で納得いく出来ではないので
将来的には改善して頂こうかと考えています。
刀身側の鍔の画像。
刀身側の切羽は駐爪が通る貫通穴のある仕様を再現しています。
鉄鍔&鉄縁仕様の中期型では見られない仕様かもしれませんがせっかく作ってもらいましたので・・・(笑
ちなみに画像では分からないとは思いますが刀身収納の関係で切羽は二枚重ねにしています。
反りの強い模造刀身を仕込んでいますので切羽などで調整しないと駐爪が掛かりません。
またハバキも実物とは異なる物も付けています。これも刀身の関係ですね・・・
鞘から抜いた状態の九五式軍刀の画像。
今回仕込んで頂いた刀身は居合刀用ではなく普及型模造刀身になります。
前述したように反りが強く実物とはかなり異なる刀身です。
樋は無く、廉価な模造刀身特有の刃紋もあるので再現度という点ではポイントは低いです。
しかしその分、気兼ねなく使い潰せ、鞘への出し入れも惜しむ必要はありません。
とは云うものの構えた時のバランスなども良いとはいえませんし
将来的には反りのあまり無い居合用刀身に換装しようかと考えております。
お次は鞘部の画像。
こちらも再塗装をお願いしました。
ですが・・・先日紹介した贋作軍刀の鞘に比べると少し緑の強い色合いになっています(汗
再度、塗装をお願いしようか検討しています。
再塗装だけでなく口金止めネジも新たに追加してもらいました。
口金は溶接されているようであくまでダミーですが・・・しかしちゃんとネジ穴を設けて貰っています。
また佩鐶のリングも作り直して頂いております。
塗装は筆塗りなので刷毛痕が酷いですね・・・・
溶接不良だった石突部の画像。
この部分も補修して頂いております。
さて最後に先日紹介したもう1つの贋作と並べてみたいと思います。
上が以前紹介した贋作九五式軍刀初期型(居合刀身仕様)
下が今回ご紹介する贋作九五式軍刀中期型(普及型模造刀身仕様)になります。
改めて並べて手にもってみたのですが・・・
鞘の長さどころか柄の大きさもまるで違う・・・?
一方が傾いていて角度が異なるのでそう見えるだけ・・・・?
柄部のズーム画像。
上が以前紹介した贋作九五式軍刀初期型(居合刀身仕様)
下が今回ご紹介する贋作九五式軍刀中期型(普及型模造刀身仕様)になります。
やっぱり明らかに柄の太さが違いますね・・・
鞘の太さと柄の太さを比較すると分かり易いかもしれません。
全長に関しては両者の位置が微妙に違うので誤差があるとは思うのですが
やはり下の今回紹介する贋作の方は明らかに柄は細く出来ております。
握りしめるとその違いを実感出来ます。
フライングする事になりますが(まだ紹介してない)…所有する実物九五式の柄とも比べると
この贋作の柄の小ささが際立ちます。うーん・・・細い。。。
う~ん・・・こればっかりはどうしょうもないなぁ・・・・
鞘の先端の画像。
上が以前紹介した贋作九五式軍刀初期型(居合刀身仕様)
下が今回ご紹介する贋作九五式軍刀中期型(普及型模造刀身仕様)になります。
石突の形状にも差異が見られます。
しかし・・・今回紹介する贋作・・・大分短いですね・・・・
さて以上で海外製 贋作 日本陸軍 九五式軍刀③ 中期型 塗装&刀身組み込み済みの紹介になります。
この贋作は手を加えるのにそれなりの予算が掛かったのですが・・・
思いの他、柄が細かったのには少々ショックです(泣
ですが・・・元々出来が悪い品だったので予想出来た事だったのかもしれません。
過度に期待してはダメですね・・・
最後にもしこのタイプの贋作九五式軍刀に手を加える場合の注意点をまとめてみました。
●猿手&猿手管の欠品。
●目釘ネジがプラスネジ&ナット止め。
●切羽の欠品。
●駐爪用板バネの欠品。
●ハバキの欠品。
●鞘に口金止めネジ無し。
●鞘の石突の溶接不良。
まだ他にも問題点はあると思います。
最後の方で書いた柄の細さなどetc・・・
もし贋作九五式軍刀に刀身を仕込んだり塗装したりして
手を加える事をお考えなら今回ご紹介した贋作は絶対に止めた方がよいでしょう。
部品の揃っている贋作かPKミリタリアさまの複製品を購入された方が良いです。
PKミリタリアさま製は刀身もよく出来ており
刀身や口金に製造番号の打印まで再現されております。
旋盤、ボール盤など工作機械をお持ちで加工技術を習得されている方なら大丈夫かと思いますが・・・
どなたか猿手管作れる方・・・いらっしゃいませんかね・・・・
さて今回は以上になります。
ではでは~
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