**追記** 十三年制と思ってましたがホックの材質、肩章装着用の穴が無い事から
後期の十八年制と思われます。
当ブログ初の将校被服ではないでしょうか・・・?
ちなみに状態は画像をご覧になって分かるようにかなり悪いです。
将校准士官に関連した被服や装備品は私は収集していないのですが
今回御紹介しましたのには理由が御座いまして・・・
以前に紹介しました尉官襟章を譲って下さった父の御友人所有の品で御座います。
http://nihonmasamasa.militaryblog.jp/e848742.html (実物 日本陸軍 尉官襟章)
この品も襟章同様に従軍当時の御父上の品だったそうで
どうせ処分する事になるからと私が頂く事になりました。
この場を借りて改めて御礼申し上げます。本当に有難う御座います!
生地のズーム画像。
色合いは濃い茶褐色で厚手のサージ製です。
下士官兵用と比べると濃くはっきりした色合いですね。
襟部正面の画像。
襟部は一部破れた状態です・・・
戦後も着られてたそうですが大分使い込まれています。
襟のホック部の画像。
襟のホックの爪は欠損しており爪を留める金具しか残っていません。
ホックは2つ存在します。
下士官兵用の折襟軍衣では1つになりますが
将校准士官用では立襟と同じ2つのままなのですね。
ホックは錆ていますので真鍮製ではなく鉄製のようですね。
襟部の内側の画像。
襟の内側には襟カラーを装着するための突起が備わっています。
襟を展開させた状態の画像。
襟の裏側には画像のように濃緑色生地が縫い付けられています。
縫い付け方も興味深いですね。
背面の画像。
背面は二枚生地を繋ぎ合わせた作りになっております。
続いては胸部などを見ていきたいと思いますが・・・
こちらも状態は良くありません。
釦の画像。
釦は金属製ですが全て錆ており紛失していたりしております。
こちらは胸部物入れ(ポケット)の画像。
内蔵式の物入れで雨蓋の形状が長く尖っているのが特徴です。
内部の画像。
続いては腰部物入れ(ポケット)の画像。
腰部もやはり内蔵式で蓋は長方形に近い形状をしております。
続いては側面の切り込み部の画像。
下士官兵用では両側面に切り込みが存在しましたが
この冬衣では軍刀を吊る片側にしか存在しません。
続いては袖部の画像。
袖には釦の類はありませんが袖生地が折り返されているのが特徴です。
十八年制からは袖章が付く事になりますがこの服には付いておりません。
戦後になって取り外されたのでしょうか。
続いては内装部の画像。
やはり内装部も破れなど多いですが特徴が見てとれます。
袖を裏返しにした状態の画像。
袖部裏地はストライプ調の生地が使用されております。
綿生地ではなく白く派手な裏地になっており下士官兵用の官給品ではまず有り得ない仕様です。
何処で仕立てのかは分かりませんが・・・軍用というよりスーツなような印象です。
こちらは左胸部の裏側の画像。
左胸の裏側には内ポケットが存在します。
小型と中型のポケットが並ぶ形で2つ設けられています。
1つは懐中時計でも入れる為のものでしょうか?
背側の内装部の画像。
裏地の縫いといった縫製は手間が掛っております。
下士官兵用の官給品とこれほど違うとは・・・
ちなみにこの品には襟カラーが5つも付いておりました。
白色と濃緑色の2種類で長さもそれぞれ微妙に違っております。
もしかしたら夏・冬衣で長さも違ったのかもしれませんね。
さて以上で実物 日本陸軍 昭和十八年制 将校准士官用冬衣の紹介になります。
私は以前から書いていますように将校准士官装備の収集はしておりません。
しかし今回運良く被服を入手出来、将校服の構造を手に触って知ることが出来ました。
このような機会はあまり無いので勉強になりました・・・!
さてこの服ですが試しに着てみた所、かなり小さかったです。
持ち主の方は身長の低い御仁だったと推測します。
襟章に被服を入手してみると・・・さらにこの方(持ち主さま)の軍歴がどのようなものだったか気になりますね。
状態が悪くサイズも小さい服ではありますが・・・
私には初めての将校被服です。記念すべき1着ですね・・・!
さて今回は以上になります。
ではでは~
ノシ