2012年04月13日
複製比較 日本軍 騎兵用弾薬盒 中田製＆海外製
さてさて今週はいつも通り仕事の関係で更新する暇がありませんでした・・・
ようやく更新したいと思います。
今回ご紹介する品はこちら！
複製 日本陸軍 騎兵用弾薬盒です。
画像の複製品ですが
左が中田製。
右が海外製になります。
騎兵装備のみならず騎兵銃を装備する兵科（輜重兵など）でも使用させていたとされています。
歩兵用では弾薬盒は前盒と後盒をそれぞれ携行しますが、
騎兵用ではこれ１つを携行するようです。
そんな意外とコアながら幅広い兵科の軍装にうってつけの装備なのが、この弾薬盒かと思います。
複製 騎兵用弾薬盒を並べた状態。
それぞれ細部が異なるのにお気づきかと思います。
まずは弾薬盒正面のアップでの比較。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
微妙に蓋用ループの位置や、縫い位置などに差異がありますね・・・
また全体の形状も微妙に違うように見えます。
ちなみに生地の色ですが中田製は少々赤みのある茶色です。
オイルをさらに塗り込むと光沢が出て高級感と美しさを醸しだします。
私が最も好きな色合いでもあります・・・！
中田製にしては珍しい革質のような気もします。（あくまで私見）
対して海外製ですが当初は固有色（天然色）で実物の規定通りのような状態です。
大分明るい肌色のような茶色でしたが（新品ですから仕方ないのですが）
オイルを何度も塗り使い込めば良い色合いに変化していくことでしょう。
これもまた１つの楽しみになると思います。
次は弾薬盒後面のアップでの比較。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
画像の弾薬盒後面の左上にあるのは負い革留め用の金具です。
さて画像からは
この負い革留め用金具の位置、革帯用ループの位置、蓋の大きさなどが両者違うのがお分かりになると思います。
それでは他の部分も見ていきましょう。
騎兵用弾薬盒の蓋を開いた状態。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
弾薬盒の前面に革で作られたループが点在していますが、
これは騎兵銃用の工具（洗い矢＝クリーニングロッド）等を収納するための物だそうです。
騎兵用弾薬盒の前面右側にある工具収納用ループの比較。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
こちらは騎兵弾薬盒の前面左上にある工具収納用ループの比較。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
画像の複製品同士の相違点ですが、
この革製ループの形状などに若干の違いがありますが、
最も異なるのは弾薬盒の左上にあるループです。
この左上にあるループ。
中田製、海外製とともに大体同じ位置にあるのですが・・・縫い付けの方向が全然違います。
中田製では縦に工具等を通せるようにループ用の革生地を縦に縫い付けられているのですが、
対して海外製はループ用革生地は斜め横方向に縫い付けられています。
つまり両者逆の縫いつけになっているのです。
これは収納する工具（洗い矢など）の種類による物なのでしょうか・・・・？
この方向の差は意味があるのか・・・ないのか・・・・実物でも有り得るのか気になるところです。
続いては弾薬盒内部の画像。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
中田製については中古ではありますが・・・
両者基本構造は同じようにみえますが、リベット（負い革用）の仕様、また弾薬盒の底面の形状が
異なります。
中田製では底面の形状が革生地を丸めたような単純な形状となっていますが
海外製では底面は長方形の形状になるように整形されております。
実物の仕様に関しては詳細が分かりませんので一概にどちらかが正しいかは断定出来ませんね。
ちなみに内部には３箇所の仕切りがありますが、
真ん中の小さなスペースには騎兵弾薬盒専用の油缶を収納します。
側面より見た弾薬盒内部の画像。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
中田製の画像が暗いですね・・・・ｗ
ちなみに中田製の弾薬盒の蓋の裏側にはいつもの中田のマークが打たれています。
海外製には何も印はありません。
続いては弾薬盒左側面の突起部（負い革留め用）の画像。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
この突起金具に関しては中田製が薄く、海外製が厚くなっております。
根元部分の形状も異なります。
負い革留め用の金具のアップ画像。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
形状と仕様の違いが一目瞭然かと思います。
中田製に関しては細いですは負い革は装着しやすいと感じます。
対して海外製は太く厚いのですが負い革は装着し難くと感じます。
上の画像とかぶりますが・・・
弾薬盒の裏側にある負い革留め用の金具のアップ画像。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
位置は海外製の方が若干上にあります。
しかし実用にはさほど左右されない差と思います。
上記の弾薬盒左側面の突起部の弾薬盒内部から画像。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
金具の内側の処理も全く異なります。
中田製ではこの突起金具はネジ状になっており、弾薬盒の内側ではネジ穴の切られたワッシャーによって固定しています。
（金具が動いた時にはビックリしましたｗ）
突起の取り外しが可能なのですが、いざ負い革を装着する際は動いてしまい少々不便な印象です。
対して海外製ですが、こちらもネジ式どうかは分かりませんが
中田同様にワッシャーがかまされていますが、しかし金具の末端は潰されており取り外しが出来ません。
（まぁ別段取り外し出来なくても問題ないと思うのですが・・・）
この箇所は中田製が少々強度と使用面においては不便かな？といった感じです。
さて続いては２つの弾薬盒の大きさ、長さの違いを見ていきたいと思います。
上が中田製騎兵用弾薬盒。
下が海外製騎兵用弾薬盒です。
画像から見てお分かりになると通り、
下の海外製の弾薬盒の横幅大分長いようですね。。。
（逆に中田製が短すぎとも捉えられますが・・・）
続いては弾薬盒の縦幅の比較。
左が中田製騎兵用弾薬盒。
右が海外製騎兵用弾薬盒です。
縦の長さですが・・・画像では分かり難いのですが
中田製の方が少しだけ長くなっております。
同じように見えますが・・・微妙に違うようです。
続いては側面から比較した弾薬盒の画像。
今回最も違いがはっきりと分かる部分かと思います。
左が中田製騎兵用弾薬盒。
右が海外製騎兵用弾薬盒です。
まず側面の革生地の長さが圧倒的に異なります。
中田製は短く、逆に海外製は長いのです。
さらに蓋の革生地の長さもそれに伴って異なって来、
中田製は短く、海外製はやはり長くなっています。
そして蓋側面に縫い付けられている革生地の比例して違います。
しかしこちらは長さは差異がなく、形状が違うぐらいです。
中田製は湾曲した三角形の形状で
海外製は浅い三角形の側面の形状をしています。
これらの要因のためか弾薬盒の蓋の上部の形状も異なっております。
中田製は角ばった形状の蓋に対し、
海外製では丸まった蓋の形状となっています。
これらによって大分外観の印象が異なってきます。
さて弾薬盒本体の紹介＆比較は以上になります。
続いては・・・
負い革を紹介致します。
とはいっても中田製の物は欠品してますので・・・
あくまで海外製の物のみの紹介になります・・・（汗
バックルによってサイズ調節が出来、なおかつ取り外しが出来ます。
まぁ・・・ただのショルダーストラップなような気もします。
弾薬盒への接合用部分。
突起金具を通すための穴が２つずつあります。
しかし・・・２つも必要なのでしょうか・・・？
折り返して装着するためでしょうか・・・？？
（それでは金具の大きさ的に限界があると思います）
もしかしたら他商品のストラップの使いまわしのような気もしますが・・・ｗ
しかし実物においても他装備用の負い革を使用していた可能性もありますし、
否定は出来ませんね・・・！
負い革を装着した騎兵弾薬盒。
ちなみにこの騎兵用弾薬盒ですが、実写真では拳銃用革帯と思しき細い革帯に通して装着している写真を多々拝見します。
革帯は制式の官給品なのでしょうかね・・・また拳銃用と同様の物なのでしょうか・・・？
大いに気になる所ですし、軍装する上で事実確認を是非ともしておきたい部分でもあります。
日支事変における騎兵弾薬盒と思しき物を装備した憲兵たちの写真。
拳銃を合わせて携行しているせいか２つの細い革帯（拳銃革帯？）を装備しているのも印象的ですね。
これは意外と見られる着用例ですね。
私の祖父の従軍写真においても確認できました。
右端の憲兵の方はＺＢ軽機関銃（チェッコ機銃）を携行してますが帯刀しているのも面白いですね。
（撮影用のためかもしれませんが実戦だと重量的にかなり苦労する組み合わせですね）
また左から２人目の憲兵さんは騎兵銃ではなくベ式？と思われる短機関銃を所持されていますね。
憲兵としてはかなり珍しい火器を装備していますね。
南方初期作戦で戦地で立哨する兵士の写真。
立襟式の襦袢と地下足袋を着用しているようですね。
弾薬盒は騎兵飯盒と思しき物を装備しています。
（しかし負い革を装着していない点、負い革留め突起が確認出来ないので工兵用やもしれませんね）
まぁ負い革に関しましては省略しただけかもしれませんが・・・
こちらも有名な写真で南方作戦（蘭印作戦か？）において休息する兵士の写真なのですが、
右の腕を組んで寝ている兵士の弾薬盒は騎兵弾薬盒と確認できると思います。
側面の金具の突起は確認出来ませんが、騎兵用弾薬盒の特徴である前面の工具収納用のループが見えます。
そうなりますと負い革を装着せずに着用していたともとれますね。
しかし工兵用弾薬盒も謎というか、あまり知られていませんが・・・・
そちらの詳細も気になりますね。
旧軍の弾薬盒といえば前盒２つ後盒のスタイルがメジャーですが
騎兵弾薬盒を装備してあまり脚光を浴びない兵科の軍装を
チャレンジしてみるのも面白いやもしれません。
通常の歩兵用とは違い、まだ軽装で済むやもしれませんし！
以上、複製比較 日本軍 騎兵用弾薬盒 中田製＆海外製でした～
